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ぼへ猫通信(603) 17回目の・・・ [ぼへ話]

毎朝、ウチの近所の公園に集まってくる
「ぼやぼやと、その日暮らしでへっちゃら」な猫たち。
公園暮らしを「ぼへぼへ」と楽しむ猫たちの生活を紹介したくて、
『ぼへ猫通信 』やってます!

今回は、ぶち子と一緒に生まれた、もう一匹の仔のお話。

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前回 お話しした、ぶち子さんの、17回目のハッピ~ バースディ♪

でも、ベランダで生まれたぶち子さんが「17歳」っていうことは、
そのとき一緒に生まれた もう一匹の仔猫が亡くなって、17回忌になるのです。。

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17年前の5月19日・・・ なんだか ベランダのあたりで 子猫の鳴き声がするな、と
のぞいたら、エアコンの室外機の陰で、ママ猫のさくらが、2匹の子猫を抱いていた。

もともと、さくらは、ベランダから見下ろす 隣のマンションの裏庭で生まれ育ったノラっ子。
ベランダから煮干しやなんかを投げてやっていた私にも、ゴハンが落ちてくるベランダにも
幼い頃から馴染んでいて、成長してからは、ときどき ベランダをのぞきに来ることがあった。
・・・だから、初めての出産をする場所に、このベランダを選んだのかもしれない。

コンクリートのベランダだけど、 当時、室外機のまわりには 土を入れた部分があって、
ツツジが植えられていた。 ・・・植木の陰だし、出産には都合がよかったのかな?
でも、それが、不幸を招いてしまったのだ。

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さくらが出産した植木の陰は 屋根がなくて、あまり子育てにいい場所ではない。
次の日、さくらはベランダの一角にある 木製デッキの床下に 引っ越すことにしたようだ。
一匹の子猫を連れて、デッキの下へ。 でも、もう一匹は「にゃあにゃあ」と鳴き続けている。
気になって のぞいたら、その子だけ、置き去りになっていた。

人間が手を出すとイケないと言うけれど、まだ生後2日の赤ちゃんが ひとりぼっち。。
かなりマズい状況なので、私が、引っ越し先のデッキ下に移してあげよう・・・
ちっちゃな仔猫をそっと手で包んで、拾い上げようと思ったら・・・ 持ち上げられない(!)

なんと、仔猫のヘソの緒が、植木の細い根っこに からまってしまっていたのだ!
結局 ハサミをもってきて、根っこを切って、赤ちゃんをデッキの下に そっと押し込んだ。
・・・猫のチカラでは、まったく動かせなかったのだと思う。
何度もくわえて運ぼうとしたのだろう ・・・仔猫の首すじや背中が、唾液で濡れていた。

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数時間ほど待って、さくらが出かけた隙に デッキの下をのぞいたら、
仔猫は 私が置いた場所に、そのままの姿で横たわって、もう冷たくなっていた。
私は、亡骸を拾って、ぼへの公園のすみっこに埋めた。
・・・毛色が茶トラだったから、お名前は「チャト」 名前は、そのまま 戒名になった。

やはり、私が触ってしまったことで、育てる気持ちがなくなったのか・・・
それとも、ひとりぼっちで置き去りにされていた時間が長すぎたせいか・・・
かわいそうなことをした、と思う。 そして、私は、知らん顔のさくらを、ちょっと恨んだ。

でも、私がチャトを葬った日の夕方、さくらは、ベランダのサッシから部屋をのぞきこんで
もの問いたげな目で、私をじっと見つめてきた。 ・・・仔猫を探しているのかもしれない。
 「あの子、ヘソの緒が 根っこにからんでたんだよ。だから、死んじゃったの」
そう言ったら、何か悟ったような顔をして、デッキの下に戻っていった。

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さくらは、まだ1歳に満たない 年若の新米ママで、片方の仔猫は死なせてしまったけれど、
その分、もう片方の仔猫・ぶち子を、がんばって 大切に 大切に 育てあげた。
・・・ぶち子さんが、こんなふうに健やかに 17歳を迎えられたのも、
さくらママの 愛情あふれる子育ての賜物だと、私は 思っているのです (^.^)
  ・・・ちょっと長いお話になったけれど、おしまいまで読んでくれて ありがとう♡


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